VG20ET ジェットターボのミソ
と、いうわけで今回はVGネタ。
相変わらず整備に回すお金がないのでね、トホホ……。(みなさん部品を買う際は僕のリンクから飛んでくださいっ! 笑)
さて本題、タイトルに困っちゃったけどジェットターボについて。
このジェットターボってのは要するに可変ノズルターボのこと。回転数に応じてタービンの中にあるフラップが開いたり閉じたりして空気の流速を制御する仕組みだ。回転数が低い=排気圧が弱い時にはフラップを閉じて空気の通り道を細くして流速を上げ、過給効率を上げる。回転数が高い=排気圧が高い時にはフラップを全開にして空気抵抗を少なくし、排気圧のロスを減らしてやる仕組みだ。
と、ここまではWikipediaに乗ってる内容をざっくり書いただけで、読み覚えがある方もいるかもしれない。こっからは日産の整備書やカタログを見ていこう。
【世界初、電子制御可変ノズル式を採用した、超高性能VG20E・T型「ジェットターボ」エンジン】
な~んて仰々しい文言が並んで【超高性能】なんて自分で言っちゃってるあたり時代である。この時代のカタログって日産問わずエンジンの部品名や専門用語がバンバン出てきて、あたかも「みなさんご存知!」みたいな感じで用語に対する解説とかもないから面白い。逆に今どきは「快適性」とか「利便性」「安全性」なんかがメインで、エンジン性能云々を大々的にアピールしてるのはほとんどない。これまた時代である。ちなみにプラズマってのはトヨタのレーザーに対抗したネーミングってのは周知の事実。
さて、話は戻ってメカニズムについて。仕組み自体は冒頭で述べた通りで、回転数が低いときはフラップを閉じて流速を上げる。高回転時はフラップを開いて排気抵抗を減らしてロスを減らす仕組みだ。ちなみにカタログには電子制御と書かれているが、このフラップ自体を直接モーターかなんかで動かしてるわけではなく、過給圧に応じてPCVバルブを開閉し、タービンアクチュエータと同様に過給圧で動くスイングバルブを介してフラップを動かしてる。なのでジェットターボエンジンにはPCVバルブとアクチュエータが二個ある(普通は一個)。
ただこのジェットターボ、【超高性能】かどうかといわれればそんなに高性能ではないだろう。上のグラフを見ても分かる通り、従来のタービンと比べて大幅に性能が向上しているというわけではない。トルクで言えば1kgくらい、馬力は多く見積もって10PSくらいだろうか。ついでに言えばグロス値だからY30みたいな重たい車に載っけたら結局-20PSくらいは出力が落ちてるんではなかろうか。ただ、レスポンスの向上はあると思う。とはいえドッカンなところも否めない。
ちなみにこれ、可変ノズルがあるぶん普通のタービンに比べてハウジングがバカでかい。本当にデカい。「当時はY30がよく入ってきた」なんて語ってくれたディーラーの方も「Y30のジェットターボでしたっけ?!こ~れ普通のに比べてすっごく大きいからこのまんまじゃ抜けなくて…そう、よくメンバーごと下ろしてましたよ~」なんて言ってたくらい。上のサージタンクも外す必要があるから大変な作業になること間違いなしだ。
で、結局。部品点数とか工数なんかのコストの割に大した性能が望めなかったのか、このジェットターボってのはVG20ETに採用されたっきり後継のエンジンに受け継がれることはなかった。Y30以外の搭載車種もF31とC32くらいで、今現在まともな数があるのはY30くらいだろう。Z31も登場時はVGエンジンが搭載されていたが、あとから出てきたセラミックターボのRB20DETの影にVGは埋もれてしまい、後期型にジェットターボVGが搭載されることはなかった。
以上、儚く短命で終わった超高性能エンジン、VG20ETジェットターボの話でした。
Y30 セドリック 燃料ポンプの動作確認
久しぶりの更新。
なんともまあコロちゃんの影響もありましてセドリックくんに回す金がないので更新するネタもなく…。ま、整備してないだけでセドリックは毎日元気に走り回っています。
てことで今回は小ネタ。燃料ポンプについてです。
旧車に乗ってて怖いものといえば「オルタ」「燃ポン」「オーバーヒート」でしょうか。オルタに関してはマメにテスターで電圧図るかリビルド品に変えちゃえば安心だし、オーバーヒートも車検毎にサーモ変えたり目視で水漏れのチェックさえしていれば割となんとかなる。だけど燃ポンに関してはなかなかそうもいかない。タンクの場所と部品代的を考えると気軽に変えられるものでもないし、水温計のようなメーターもないので視覚的なチェックがしずらい。
じゃあどうするか…
”””耳”””で聴くンだよ ……
てことでキーをONにしたら燃料ポンプの方に耳を傾けてやる。
HTやセダンなら後部座席うしろ。バンワゴンなら車体下といったところだろうか。キーをONにしたら「ウォンウォンウォンウォン…」とか「ドロロロロロロロロ…」みたいな音が聞こえるはず。で、5秒経つと「コッ」っと音がしてポンプの作動が止まる。確認するのはただそれだけ。というか、それくらいでしか確認できない。
てことで僕は燃圧計を取り付けてるのだ
てかこれもう売ってないのかな。一応同じDifiから「Defi-Link」なるものがあるけど、あれはメーター単体じゃ動かなくてLinkユニットも買わなくちゃいけないので注意。3連だの5連メーターにするなら別だけど。
話はもどってセドリックの燃圧計だけど、まあ正直見ての通りミスマッチ感がすごい。たださすがDefiってだけあって動きがリニアで良い。アクセルの踏み具合によってちょこちょこ燃圧が変わるから面白い。基本的に針は2.0を指してるのでそれより下がるのであれば燃料ポンプ不調のサインかも知れない(下り坂でエンジンブレーキをかけると2.0より下がることもアリ)。
ちなみにエンジン始動後30秒ぐらいでエンストする症状が出たら燃料ポンプではなくECUの可能性が大なのでご注意を。
R12ガス車にR-SP34Eを入れてみる
と、いうことでタイトルのまんま。R12のY30に「R-SP34E エアコンオイルコンディショナー」なるものを入れてみました。入れ方はガスと同じなので割愛。
そもそも、コンプレッサーオイルの補充方法は専用の治具を使用してオイルを注入する方法と、エアコンガスと一緒に混ぜて(?)ガスチャージと同様の方法で補充する方法の2パターンある。このオイルコンディショナーは後者の方。前者はオイルが500~1000円くらいと手頃な価格だが治具が1~2万くらいするのでパス。
そんでもってこのR-SP34E、中に入ってるガスはHFC134a(R134a)なんだけどR134aだけじゃなくR12の両方に使えるスグレモノ。オイルは50gはいってる。
そもそもR12とR134aは使用しているオイルが別物で、混ざり合うものじゃないんだけど、これに入ってるPOEオイルっちゅーものはR12のオイルにも溶ける=混ざるしR134aのオイルにも溶ける性質を持ってるらしいのだ。ちなみにPOEってのは「ポリオールエステル」の略らしいけど化学はさっぱり分からんので詳しいことは知らない。
一方で中に入ってるHFC134aガスはR12に比べてガス圧が高いらしく、規定量のR12ガスが入った車両に入れる際は注意したいところ。R12の量を100とするとHFC134aは70くらいの量で同じ圧になるらしい。算数が苦手なので計算が合ってるかは責任持てないけど。実際ガス缶に穴を開けて低圧バルブを開けるとゲージが一気に3kくらいまで上がるのでビックリする。ので、いきなりバルブを全開にせずゆっくり様子見ながら入れると良いと思います。最終的に1500回転時1.3kで落ち着きました。
▼買ってね♥♥
Y30 セドリック エアコンのR12ガスチャージ
さあみなさん、お待ちかねのエアコンガスチャージです。
3年前にでんそー屋で25万くらいかけて修理してもらったものの、モリモリ漏れてるわけじゃないけどジワジワ漏れてるらしい。現状、エアコンをオンにするとなんとなく除湿された気持ち冷えたぬるい風が出てくる感じ。ぶっちゃけ外のが涼しい。
▲さっそくだけどアイドリング時の圧力。主に左の低圧を見ます。本来なら1~2kくらいほしいところだけど0.6くらいしかない。1500回転くらいまで上げるともっと下がる。ちなみにゲージの種類によって単位がMPaとかkPaとかBarとか色々ありますがややこしいので、数値に関してはフィーリングでお読みください。
▼低圧と高圧の関係はスナップオンのサイトが参考になったので貼っときます。
話は戻って。とりあえずシンプルにガスが抜けてるだけみたいなのでガスチャージすることに。
▲モノタロウで買ったマニホールドゲージセット。1万ちょい。タクトテクニカ製ってことらしいけどなんのメーカーかわからず調べたらまあなんか色々なものを取り扱ってるみたい(適当)
中身はなんてことない海外製。Amazonにある4~5000円のやつと何ら変わりはない。
とはいえ、レビューにもある通りアタリハズレがあるようなので、一応日本の販売店が検品したものがいいなあってことでモノタロウで買いました。あと””ちゃんとした日本語””で書かれた説明書も欲しいな~って期待したんですけど大した内容の説明書は入ってませんでした。
▲とりあえず接続。赤の高圧が細いパイプ、青い低圧が太いパイプ。正直太さそんな変わらない笑 あとゲージ側の低圧、高圧のバルブは完全に閉めておく。
▲外したキャップはストラットのボルトにちょうどよくハマるので紛失防止におすすめ。
さてさて、ホースを接続したらエンジンスタート。とりあえずA/Cはオフで。
▲そったらA/Cをオンにする。ちゃんとコンプレッサーが回ってるかどうか確認。これが回ってなきゃ話にならない。A/Cスイッチ入れても回んなかったらガスが抜けきってる可能性が高い。そうなったら真空引きが必要なのでお店で見てもらったほうがいい(またすぐ漏れる可能性が高い)。
▲サイドグラスの様子。写真じゃわからないけどブクブクしてる。正直これの見分けはよくわかんない。
▲準備ができたらガス缶をセット。入れるのはモノホンのR12。代替フロン入れる予定だったけどお世話になってる車屋さん(旧車屋)に相談したら「ペンギンのやつはやめたほうがいいですよ!」って言われたのでやめといた。でも「それなりに信頼できる代替品があったけど今思い出せません…」ってことで何を選んでいいかわからず本物を買いました。高いから1缶だけ。
で、取り付ける時サービス缶切りの蝶ネジは目一杯緩める=ニードルが上がった状態で缶に取り付ける。ニードルが下がったまま缶に取り付けるとねじ込んでる途中にガスが出てきちゃうからね。んで、缶切り本体は缶にガッチリねじ込んどく。ゆるいと缶に穴を開けたあとシュ~ってガスが漏れるゾ。
▲ヤフオクで当時物を買うのもアリだけどこの時期は相場が上がるのでAmazonがオススメ。ヤフオクで買うなら秋~冬が狙い目。春先になると値が上がり始める。
▲蝶ネジを締めて缶に穴を開けたら蝶ネジを緩める=ガスを出す。そしたら黄色いホース中央のムシをドライバーでつっついてエアを抜く。ホース内がガスで満たされた状態にするためだ。当然プシューっと高圧のガスが出てくるので、顔からそらした位置で抜く。
▲エア抜きが終わったらゆっくり低圧を開けていく。右の高圧は最初から最後まで触っちゃ駄目。ガス缶にガスが逆流してきて缶が破裂するおそれがあるらしい。恐ろしや。
▲ガスチャージの様子。新品のホースはクセがついてるので注意。
▲缶は上向きにして補充。ちょいちょい缶を振って液体を気化させて補充する。軍手が張り付くくらいチンチンに凍るので素手で触らない。ちなみに缶を下向きにして補充するのは真空引きした時らしい。
▲ちょっとずつ圧が上がっていく(写真はアイドル時)。最終的に1500回転時、1缶250g入れて1kぐらいの圧で落ち着きました。デュアルエアコンだからもうちょっと入れてもいいと思うけど…
僕のセドリックは泣く泣くシングルエアコンになってしまったので、まあ‥こんな量でいいかな…。一応、修理に出した時お店から「直そうと思えば直せますが…」って言われたけど修理費用と今後また壊れる可能性を見越したら、後ろ潰してシングルのがいいって話だったのでそうしました。これが””低走行極上車””みたいんだったら大金かけて直すのもアリだけどね。
▲アイドル時の数値。缶が空っぽになったら低圧バルブを閉めて補充終わり。空っぽになったかどうかはやればわかる。
▲抜くときはオイルが噴き出すのでウエスかなんかで飛び散らないように養生してやる。ついでに配管とカプラーがアチアチになってるので火傷に注意。
おまけ
▲アクセル固定の様子。
1500回転キープ。
▼以下使用品。買ってね♡♡
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※後日談
ワイルドブルーヨコハマの遺構(?)
さてさて、皆さんはワイルドブルーヨコハマをご存知でしょうか。
かつて横浜市鶴見区にあったデッカい温水プール施設だ。規模は違うがハワイアンズやサマーランドのようなものである。しかし、1992年に開業したものの来場者数が芳しくなかったようで2001年に閉園してしまったのだ。元気だった頃の映像は波乗りジョニーのPVで見れる。
ちなみに公式サイト的なものも現存してる。
それ以外の詳しいことはWikipediaなんかをご参照ください。
さて、話は本題へ。
ワイルドブルーヨコハマの跡地は現在「ヨコハマアイランドガーデン」というきれいなマンションが建ってる。かつての姿は見る影もないが、敷地内に生えてるヤシの木はワイルドブルーヨコハマの施設内にあったものらしい。それ以外はかつての面影を残すものはなく、情報もない。まあ、そもそも施設自体の人気もあまりなかったので、調べようとする人がいないのも事実であるが。
さておき、実は跡地から少し離れたところにワイルドブルーの遺構がある。
毎朝ここを通るときに気になっていたのだ。
場所はここ。わかりにくいけど左下にマークした「弁天町」交差点の脇にある。右上のアイランドガーデンがかつてのワイルドブルー。
で、その交差点にあるのがこれ…
あ………がっかりしました?笑
まあ、所詮こんなもんです。看板上部に「XXXXブルーヨコハマ」のような文字が見えるでしょうか。なんとなく「ド」の字も読み取れる。正直これ以外の手がかりがないんだけど「~ブルーヨコハマ」なんて名のつくものはワイルドブルー以外思い当たらない。中央のベロベロに剥がれた部分はタコのような公式キャラクター(マーク)があったと思われる。
ちなみに2009年時点ではベロベロに剥がれてない。が、文字のようなものも浮かび上がっていない。もしかして閉園とともに看板を真っ白に塗りつぶしたのだろうか。それが劣化して文字が浮かび上がってきたのかな?2014年のストリートビューでは既にベロベロ劣化が始まっていた。自分が気づいたのもちょうどその辺りだ。
ただ、自分はこの辺りに住んでいるわけじゃないので、これが本当にワイルドブルーの看板であったかどうかはわかりません。まだ閉園してから20年弱しか経っておりませんので、記憶に新しい地元民の方の情報をお待ちしております。
Y30 セドリック バキュームタンクの制作【完】
以前作ったエアコンバキュームタンク…
べっこり
とまあこんな感じで負圧に耐えきれずベコベコになってしまった。一応こんな見た目でも機能はしてたけどね。
▲てことでリベンジ!丸くて丈夫な容器とΦ3のパイプを用意しました。丸くて丈夫なやつをチョイス。パイプの周りに付いてるのはエポキシパテ。接着剤とシーリングの代わり。
▲てことでエンジンルーム。以前バラした(壊した)バキュームタンク。ホースを外して…
接続!
おお!今回は凹みませんでした!!なによりエアコンの動きもバッチリです。次は設置場所を確保しなくては。
追記:エポパテだけだと熱でパキッと割れるので、つなぎにGボンドを使用するとよい。
見た目がわるいので気にする人はシッカリ作ろう。
フタの部分にはシールテープを巻きました。外側からもシールテープを巻いとくとなお安心。ひと月くらい経ちましたが問題なく使用できてます。
▼以下使用アイテム、買ってね♡♥♡♥
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nabe1945.hateblo.jp
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Y30 セドリック ミッションマウントの交換
過去修理~
エンジンマウント替えたのでそっちもどうぞ~
▲てことでミッションマウントの交換。ミッションを支えてるゴムですね(雑)
▲とりあえずボルトナットにラスペネ攻撃。これは触媒につながってるボルト。
▲センターのナットは17。ロングソケットで外す。結構固い。作業にあたって当然ウマはかけてるけど車体の真下に入るのは未だに怖い。閉所恐怖症??
▲マウントのボルトナットを外したらジャッキスタンバイ。ジャッキを掛けると言っても、エンジンマウントと違ってミッションをジャッキアップするわけではなく、マウントを外した際にミッションが落ちてこないようにする支えの役割だ。ついでに「オイルパンが凹む=死」なので注意。
▲ジャッキセットが済んだらいよいよマウントステーの取り外し。四隅のナットを外すと落ちてくる。かなり重たいので顔面に落ちてこない位置で外そう(KY)。
▲ステーを下ろしたらマウントを留めてる左右のナットを外せば取れる。
▲ということで比較。高さはもちろんだが、古い方はかなりグニョグニョになって千切れてもおかしくない状態だった。
▲触媒につながるステーにもブッシュが組み込まれてる。いつか替えたいね。
▲てことで外した部品をもとに戻して終了。前述したとおりマウントステーはかなり重たいので注意、なんてったってウェイトが入ってるかんね。
▼てことで以下部品。買ってね♡
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ラスペネは””C””を買おう
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